2013 GOOD FACTORY賞審査 いよいよ始まる 2013/06/10 業界動向 Tweet
日本能率協会 JMAマネジメント研究所 主管
廣瀬純男
◆GOOD FACTORY賞とは何か
日本能率協会(JMA)は、これまで70年の長きに亘り工場の生産性向上、品質向上、環境や働き甲斐の向上に様々な形で取り組んできました。
今、多くの日本製造業が中国・アジア新興国を中心にものづくりの拠点を展開し、日夜現地の方々の協力のもとにものづくりに励んでいます。こうしたなか、どこも同じように見える工場運営ですが、いくつかの工場が他では絶対真似のできない、優れた工場運営マネジメントを駆使しながら、日夜がんばっていることに気づきました。
私たちは、この「優れた工場運営マネジメント」を多くの工場関係者に知ってもらいたいと思い、アジアを中心に「優れた工場運営マネジメント」を実践している工場・事業所を発掘して、その努力を顕彰することにしました。
それが、GOOD FACTORY賞(優良工場表彰制度)です。
GOOD FACTORY賞は、
①ものづくりプロセス革新賞
②ものづくり人材育成貢献賞
③ものづくりCSR貢献賞
④ファクトリーマネジメント賞
の4つの賞で構成されており、各地域の工場・事業所において、上記のいずれか1つでも優れて自慢できる要素があれば、応募できるのが大きな特徴です。
さて、GOOD FACTORY賞は2011年からスタートし、既に多くの優良工場(*計11社13工場)が受賞していますが、あらためて「GOOD FACTORY」とは何かを考えてみましょう。
◆「隠れた努力」を見い出す
私たちは、今まで品質や生産性が高く、安全な工場がGOOD FACTORYだと考えていたのではないでしょうか。それももちろんGOOD FACTORYの一側面でしょう。ところが、中国をはじめアジアの工場を巡っていると、この高い品質、高い生産性、安全な工場を実現するために、実に様々な表面に現れない努力をされていることに気づかされます。私たちは、この「隠れた努力」に着目したのです。GOOD FACTORY賞の審査を通じて、上述の隠れた努力の内容が少しずつ分かってきました。
代表的なものとして以下の5つがあげられます。
1.ポリシーは譲らない
経営の軸に揺るぎのないしっかりとしたものづくりの価値観がある
2.たゆみないステップアップ
常に次を目指してステップアップを継続的に行っている
3.心を開くコミュニケーション
トップが先頭に立ちコミュニケーションを大切にしている
4.行動を導き出す工夫
ローカルのメンバーが自ら行動できるよう種々の工夫をしている
5.個と全体を意識する
トップが個と全体の両方をきちっと見て運営している
この5つは進出国や生産品、事業形態が異なれども工場運営マネジメントを行っていくうえで意識して取り組むべきポイントなのです。
この5月末から2013年度の審査をスタートさせました。
今年もアジア各地域から「隠れた努力」を積み上げてこられた優れた工場が審査に臨みます。
工場長をはじめ、幹部、従業員の方々が緊張した面持ちで自社の活動を熱心に発表される姿は、何度立ち会っても身の引き締まる思いを感じます。
さて、今年も「隠れた努力」を探しに新たな旅が始まります。
暑い夏になりそうです。
※GOOD FACTORY賞:
http://www.jma.or.jp/mono/factory/index.html参照