コラム 経営の羅針盤

新しい考え方の浸透・実行について考える~KAIKA経営やSDGsを通じて~ 2019/05/10 KAIKA

一般社団法人日本能率協会 KAIKA研究所
安江あづさ

 

◆組織と社会のつながりをつくる

昨今、世の中のニュースを見ていて、SDGsへの取り組みを始めている企業が増えているように感じます。日本能率協会(JMA)が提唱している「KAIKA(カイカ)」について語るとき、SDGsやCSVと絡めて認識いただくことも多く、またKAIKA Awardsの審査委員長には、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの有馬利男代表理事に就任いただいているように、持続する可能な開発目標(SDGs)と、「組織の社会性(社会とのつながり)」を一つの要素として掲げているKAIKAの考え方は共通するものがあります。

JMAでは2011年より「KAIKA経営・組織」を提唱しています。

「個人の成長」「組織の活性化」そして「組織の社会性(社会とのつながり)」を同時に取り組む組織は、今後の変化が大きく、多様化・多元化が進む社会においても事業・組織継続していける、という提言です。

なぜ組織に社会性が必要なんだ。それが売上・企業価値につながるのか?

そこにSDGsやCSVが取り上げられるようになる社会がやってきたのです。

 

◆調査結果からみる企業のSDGsへの取組み

昨年度実施した日本能率協会の「経営課題実態調査2018」においては、SDGsの取り組み状況について取り上げました。「具体的な目標を設定して取り組んでいる・活動を行っている」は全体36.5%(以下 図2-11参照)、さらに同項目を企業規模別を分析すると、大手企業に限れば55%以上という結果となりました。

 

ここでさらに掘り下げて「SDGs自社活動の社内認識状況」について見てみます。すると階層別に大きく異なっていることがわかります(以下図2-12)。経営層は「十分に・ある程度認識されている」と90%以上の方が思っていますが、一般社員にいたっては約3割強しかそのように思っていません。

 

★なぜSDGsに取り組むのか?組織の社会性が必要なのか?
★既存事業を継続させるためにその材料である環境保護を推進する。
★社会課題における将来のリスクマネジメントのために取り組む必要がある。
★「継続(サステナブル)」の視点で投資家視点が経済価値以外に向いている。
★社会課題に対し自社製品・サービスで関わることで、新事業・新市場開拓を見込んでいる。

経営の方は認識しているが一般社員の方は認識が薄い、ということは、その「なぜ?」が届いていないのかもしれません。日々の業務・目標に追われ、ちょっと先の状況・未来・事業環境を思慮するに至っていないのかもしれません。組織力で強みを発揮する日本の企業・組織において、その「なぜ?」を共有・認識し進むことはとても大切なことだと思います。その意味で、トップ・経営層の役割・意義は大変大きいものと考えます。

参考までに、日本能率協会では、SDGsについても、事業と直結するSDGsの構築、運用プログラムSDGsRoadmapプログラムを提案しています。企業がSDGsに取り組むステップ SDGsを事業活動に活かし、お客様や社会から評価されるための標準的な取り組みステップを示していますので、ご紹介します。

ステップ1. 自社の分析(自分を知る)
ステップ2:戦略の策定(設計する)
ステップ3:指標の設定(物差しを決める)
ステップ4:社内認知の向上(全員が納得する)
ステップ5:外部への情報発信(企業価値を高める)
ステップ6:PDCAをまわす(改善する)

SDGsのみならず社会課題・困りごとに対して、組織が自社技術やサービス、人材を活用して、事業的に関わっていく取り組みは、これからも模索されていくはずです。社会感度を高く持ち、様々な企業の取組みにも注目しながら、学び、実行していきたいものです。

 

★ご参考★
★KAIKA経営、KAIKAの考え方とは?
★日本能率協会 SDGsRoadmapプログラム
★経営課題実態調査2018